体育器具
「できた!」が 次の意欲につながるんです
教諭 小林 友美さん
最初はホールドに触れることから。興味を惹くことの大切さ
ホールドの見た目がカラフルで興味を惹きやすく、最初はそれに触れるところから始まりました。次にホールドにつかまること、そして縦移動、横移動(トラバース)と段階を踏んで、みんな徐々に登れるようになりました。
成功が共感を生み、筋力アップにもつながる
登れるようになると、子どもたちは「できた!」というよろこびから次のチャレンジへの意欲が湧くようになりました。すると次第に、ほかの子を応援したり、よろこびを分かち合ったりするようになったんです。そうした心理的な面にも作用するようですね。ゲーム性が高いのも良点です。運動というのはきついので、苦手になってしまう子もいるんですが、これは楽しみながら無理なく取り組めます。しかも自然に握力や脚力などの筋力がアップしていたり。特別支援学校では姿勢の保持が難しい子もいて、筋力をつけるというのは普段の運動ではなかなか難しいですから、そういう意味でも効果的でした。
運動が得意でない子も輝くことができる
クライミングを取り入れてから約5年経ちますが、怪我の例はまったくありません。それは指導方法に注意を払ったのはもちろんですが、何より子どもたち自身が、クライミングに接するうちに、危険予知能力をも身につけることができたというのが大きいと思います。「怪我をさせてはいけない」と考えるあまり保守的になりがちな特別支援学校にあって、子どもたちが自ら「これ以上は危ないかな?」と判断できるようになったのは、クライミングを導入してよかったと感じる点です。初めは触る気さえなかった子も、今では自分で目標を立てたりして取り組んでいます。「やればできる」という自信につながりますし、運動が得意でない子も輝くことができるんですね。