私は、アスレティックトレーナーとして、長年にわたりトップアスリートや中高生、高齢者など、さまざまな方に運動指導を行ってきました。スポーツ医科学をベースに独自のトレーニングメソッドを作り上げてきましたが、その根底にある考え方は、人間の身体構造に合った「正しい動き」をトレーニングするということです。それは対象が違っても、すべてのトレーニング目的のベースになります。そのベースとなる「正しい動き」をマシンを使ってトレーニングすることができれば、いろいろな分野で運動や健康づくりの可能性が広がります。例えば、トレーナーがいなくても、アスリートはパフォーマンスアップや傷害予防を行うことができます。高齢者は筋力や筋量のアップ・維持ができるだけでなく、生活動作の改善につながります。その実現のために、「正しい動き」を再現する油圧マシン、MOVE★Y！の監修を始めました。

MOVE★Y！の開発では、まずマシンを日本人の体形に合った設計にしたうえで、マシン軌道を導きだしたのですが、参考にしたのは機能解剖学です。機能解剖学は近年著しく進歩していて、人間の身体構造がいろいろと明らかになっています。MOVE★Y！では、そうした機能解剖学上「正しい動き」を習得できるよう、構造や軌道には徹底的にこだわりました。例えば、数値では測ることができない感覚的な部分は何度も調整を行いました。このときは、多くの方を手で触りながらサポートした経験が生きたと思いましたね。結果、「正しい動き」を再現するマシン軌道を生み出すことができました。本当の意味での「メイド・イン・ジャパン」になったと思います。

MOVE★Y！を使っているアスリートからは「パフォーマンスが上がり優勝できた」、高齢者からは「上がらなかった肩が上がるようになった」というような声をいろいろいただいています。監修を行った者としては、とてもうれしいですね。これからもトレーニング効果や利用者の意見を参考にしながら、セノーさんとともにMOVE★Y！をブラッシュアップしていきたいと思います。そして将来は、MOVE★Y！を加えた「サーキット・コンバインド・トレーニング」を開発し、新しい運動習慣を作る予定です。筋トレと有酸素運動を交互に行えば、より効果的なトレーニングができることが科学的に証明されています。運動をする機会が少ない主婦やアクティブシニア、女子学生たちでも、MOVE★Y！を使った筋トレとダンスなら、楽しみながら健康づくりができるので、長く続けることができると思います。この新しい運動習慣を通じ、多くの人たちの健康づくりを応援したい、そんな夢を持っています。