PROJECT STORY

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ラボードNEXT自らの壁を超えて行くために生まれた
次世代ランニングマシン

セノーのヒット商品であるランニングマシンのフルリニューアル。
自らの壁を超えていくために生まれた次世代ランニングマシン「ラボード NEXT」

ラボードNEXT
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    組立

ジレンマとの戦い

体育器具に比べてトレーニングマシンは製品のライフサイクルが短い。ランニングマシンであれば概ね5年程度で新製品と入れ替わる。セノーのランニングマシン『ラボード』は走行時のライド感やクッション性に最大の強みがあり多くの施設で採用されている。「セノーのラボードは走りやすい」そう言ってもらえる製品を営業するのはとても誇りあることだ。しかし、『ラボード』は発売からすでに7年が経過しようとしていた。

ラボードの入れ替えの相談があるたび、営業担当の田村は苦い思いをした。提案できる新製品がないことで、みすみす他社にシェアを明け渡す状況も少なくなかった。「早く、新しいラボードを発売しなければ・・・」その焦りは社内にも伝わっていた。

ジレンマとの戦い

海外製品に負けるわけにはいかない

新しいラボードを開発するプロジェクトで課題になったのは、目に見えてわかる大幅なモデルチェンジの必要性だった。評価をいただいているライド感やクッション性は維持し、斬新なイメージを打ち出すためにはデザインの大幅な変更が絶対に必要だった。田村は旧製品がデザイン性に富んだ海外製品に入れ替えられている現状を強く説いた。ラボードは機能では絶対に負けていない。見た目だけで負けるわけにはいかない。田村は自分たちが自信を持って営業できる製品を生み出すため、開発が提示するデザイン案に意見を出し続けた。

海外製品に負けるわけにはいかない

その名は「NEXT」

デザインで海外製品を選んだ施設からも、セノーの新製品への期待は高い。国産であるセノーのラボードは日本人の体型や使い勝手を十分に考慮しているからだ。ライド感やクッション性という従来の強みはもちろんであるが、施設側から評価いただいている点として「壊れにくい」という特長もあった。

デザインを優先させることでこれらの従来の強みが損なわれてはならない。田村は営業担当としてデザインの斬新さと、従来の機能を継承したリニューアルを訴え続けた。それぞれの立場がこだわり抜いて生まれたその製品は「ラボード NEXT」と名付けられた。

その名は「NEXT」

選ばれる存在であるために

これまでのラボードを知っている者であれば、誰もがそのシルエットに驚くだろう。使い勝手を十分に考慮された操作パネル、これまでの良さをしっかりと受け継いだライド感。NEXTはセノーの自信作「ラボード」を超えていく存在になるだろう。

田村に不安はない。海外製に劣らないデザインと安定した機能性を兼ね備えた「ラボード NEXT」はセノーの新たな看板商品として成長していくだろう。いや、成長させなければならない。その未来はまさに田村がこれから開拓していく道でもあるのだから。

選ばれる存在であるために

変えるもの、変えられないもの

ラボードはセノーの自信作であり、一つの完成された製品でもあった。それゆえに次世代機の企画はなかなか進まなかった。開発担当の稲泉は従来品のコンセプトは踏襲していくべきだと考えていた。ラボードの一番の魅力は「壊れにくさ」だ。そして走行時のライド感とクッション性。これは日本人の体型を研究して開発したもので、セノーの一番の強みでもある。

変えられないものがある一方で、変えなければいけないものもあった。営業側から強く要望されたのはデザイン。海外製品と比べ、デザイン面で見劣りするというのが現場の意見であった。旧製品のコンセプトを踏襲することは大切だ。しかし、新製品として開発する以上、変わらなければならない部分がある。稲泉はデザイン面での大幅な変更に挑戦することを決めた。

変えるもの、変えられないもの

信頼されている機能の大幅な向上が必要

新製品である以上、ラボードの強みであるライド感やクッション性の機能面についても当然大幅なバージョンアップを行わければならない。走っている時に足の関節への衝撃が和らぐように、膝や腰への負担が軽減されるように、稲泉はクッション材の見直しから始めた。

セノーは体操製品(床、あん馬など)の開発で培ったノウハウがあり、数値的なデータはもちろん、利用者の感覚的なものについても知見がある。跳ねすぎず、柔らかすぎない素材を求め、社内で何度も走行テストを繰り返した。材料から見直した新素材はかなり納得のいくものとなった。その違いは30分以上ランニングすれば誰でも実感することができる。これで従来の性能は大きく改善された。稲泉はいよいよデザインに着手していくことになった。

信頼されている機能の大幅な向上が必要

デザインを活かすために

開発プロジェクトからは革新性があるデザインを求められた。稲泉は開発担当として機能面を犠牲にするわけにはいかない。セノーが求める革新性のあるデザインとは何なのか、その実現にはどこまで機能面の妥協を許されるのか、プロダクトデザイナーとも何度も打合せを行い、稲泉は理想の形を探し続けた。

流線型の一本足。それが新たなデザインのイメージとして固まった。実際に試作品を製作してみると設計上では見えなかった課題が明らかになった。営業側からは新デザインをもっと活かした形状を求められる。デザイナーからはその実現のために懸念される問題点を提起される。稲泉はそれらの課題についてできるだけ丁寧に解決策を紐解いていった。誰かが妥協してはいけない。セノーとして納得できるものでなければならない。

デザインを活かすために

まさに NEXT

ラボードの後継機として開発された「ラボード NEXT」は、従来の製品でご満足いただけなかったデザインのフルリニューアルに成功した。これまで評価いただいていたライド感やクッション性もセノーの技術を詰め込んで大幅に改善された。これからのセノーの象徴となる製品の誕生である。「NEXT」の存在が次の挑戦のきっかけになることを稲泉は開発者として心から願っている。

まさに NEXT

新しい挑戦が始まる予感

沼田工場に試作図面が届いたとき、生産技術を担当する大勝はその革新的なフォルムに驚いた。これまでの製品で使っていた治具(溶接などに用いる作業工具)が流用できず、治具そのものの設計から考えなければならない。この製品が具体的な生産に入る際、現場作業が円滑に行われるために専用の治具は絶対に必要なのだ。

同時に生産工程で使用される作業指導表も必要になる。作業指導表とは簡単にいえば組み立て説明書のようなものだ。作業をする人間が誰であれ、指導表の順番に沿って製作すれば製品が完成する。指導表を作成する品質保証担当の金子もまた、これまでのラボードの経験が予想以上に使えないことに戸惑っていた。

二人は図面を元に工場スタッフを交えて具体的な生産方法について検討を始めた。これまでにないものだからといって、できないとは言えない。

新しい挑戦が始まる予感

決まらない仕様と気持ちのすれ違い

デザイン面がなかなか決定しないという状況は生産現場を苛つかせた。ようやく納得いく形に仕上がった治具が設計変更によって不要になる。仕様変更によって、効率的に設計した作業工程そのものを見直す必要が生じる。当然、指導表は一から作り直しとなる。開発側にも事情があることはわかる。しかし、要望だけが増え、作成期間は短くなっていく事態に大勝は焦りを覚えた。

少しでも作業効率や現場の無駄を省くため、金子は組み立てに必要な部品や工具の統一化を進言した。設計上、どうしても変更できない部分を確認し、代用しても問題ない部品についてはできるだけサイズを統一する。

大勝もまた生産現場と力を合わせ、使いやすい治具の開発を続けた。設計も営業も自分たちを困らせたいわけではない。あの独特なフォルムはセノーにとって大きな挑戦なのだ。自分たちだけが弱音を吐くわけにはいかない。

決まらない仕様と気持ちのすれ違い

試作レビュー

本格的な量産に向けて試作レビューが行われるまでに残された時間は二週間あまり。レビュー時に工程をチェックし、部品の変更や作業の見直しが入った場合、作業指導表は全面改定となる。治具についても同じだ。現場の作業をやりやすくするための治具が使いにくければ意味がない。残された時間、大勝も金子もそして現場スタッフも生産を効率的に行うための工夫を続ける。自らの役割に没頭しながら、誰もがその製品の仕上がりに胸を躍らせていた。

生産が本決定したその製品は「ラボードNEXT」と命名された。この製品にはその名の通りこれまでにない取り組みが数多く採用されている。正面から一本足で支えるフォルムはこれまでにない革新的なデザインだ。見た目のスタイリッシュさの裏には生産を効率的に行うための治具の開発があった。効率的な組み立てを行うための作業指導表の度重なる改善があった。

試作レビュー

そしてユーザーのもとへ

金子は現場で組み上げられた製品を前に、仕上がりを確認するための検査表をまとめた。安全に使用していただくために重要なチェック項目をピックアップしている。この検査表をクリアしたラボードNEXTは、いよいよご利用いただくお客様の手元に届く。この一本足のフォルムがトレーニングジムに並ぶ姿が今からとても楽しみだ。

そしてユーザーのもとへ