PROJECT STORYプロジェクトストーリー

トレッドミル

トレッドミル

高齢者向けのランニングマシンを
開発せよ

セノーの人気商品であるトレッドミルは走り心地を追求した究極の一台。高齢者の健康意識が高まる中、より使いやすいマシンが求められるようになっていた。セノーは小型化されたものを製品化するためにプロジェクトチームを発動する。

インタビュー

高齢者向けの小型ランニングマシンを開発せよ

トレッドミルの開発者である柏谷の元に届いたオーダーは「小型化」だった。走り心地にこだわったトレッドミルには健康志向の中高年のユーザーが多い。さらに高齢者の利用も想定し、使いやすさを重視した小型化モデルを開発することで高齢者施設などへのアプローチになる。

「絞るべき機能はどこか・・・」柏谷には小型化を実現するために生じる問題について迷いがあった。例えば走り心地にこだわったトレッドミルのクッションは、小型化にすることで耐久性が損なわれてしまう。高齢者向けに開発するということは低速モードでの安定性も重要になる。しかし、低速モードは電子制御への負荷が大きくなる。デザイン面においても苦悩はあった。高齢者への使いやすさを考えるとマシンそのものの設計にも影響がある。だからと言って従来シリーズの洗練さを損なうわけにはいかない。課題は山積されていた。

高齢者向けの小型ランニングマシンを開発せよ

立場の異なる仲間と作り上げるプロジェクトの醍醐味

開発プロジェクトは複数の部署からメンバーが集まって進められる。柏谷は開発担当として、従来の設計思想や小型化において優先させる機能についてアドバイスを求めた。実際のユーザーと接する機会の多い営業やメンテナンス担当からの意見には納得できるものが多い。なるべく多くの希望を開発に取り入れられるように努めるのが柏谷の仕事だ。試作機は年配の社員にテストしてもらい、ユーザーとしての視点からアドバイスを得た。

今までのトレッドミルのクッション性をさらに進化させ、より歩きやすさ、走りやすさを快適にする『ライド感』を実現させ、 表示は至ってシンプルに見やすさを追求。安全性を重視した機能はしっかりと残すことができた。

機能とコストのバランスを何度も確認し、柏谷はついに要求を満たした小型化のトレッドミルを完成させることができた。

立場の異なる仲間と作り上げるプロジェクトの醍醐味

新たなシリーズを生み出していくために

厳しい要求を解決し、小型化を実現したトレッドミルLXSシリーズは今後セノーの主力商品として多くのスポーツ施設や高齢者施設に導入される。実際に多くの方に利用されることは柏谷の大きな励みになる。今ある製品も次の開発のきっかけになるのだ。柏谷は常に未来の製品を見つめ続けている。

新たなシリーズを生み出していくために

海外製品に負けないものを認めてもらうために

トレーニングルームの営業を担当している山口には危機感があった。日頃から多くの情報交換を行っている中で、確実に海外製品が採用される機会が増えているのだ。セノー製品は国産でメンテナンス性にも優れている。商品力では決して劣っていない。問題は価格とデザイン性だ。見た目のスタイリッシュな印象から、機能の劣る海外製品が採用されたという話を聞くたびに、「本当に求められている製品を生み出さなくては・・・」と焦りは募っていった。

海外製品に負けないものを認めてもらうために

必要なのはユーザーを想定した「より安全であること」

きっかけは施設を運営する担当者との打合せだった。「最近は健康を意識してトレーニングに通う高齢者の方が多いので、より安全で使いやすい小型のトレッドミルがあればいいよね」何気ない一言だったが、これが今やらなければならないことだと直感した。山口は高齢者が利用するために安全面を重視した、小型で使いやすいトレッドミルの開発の必要性を社内に説いた。これは海外製にはないセノー独自の特長にもなる。その熱意は会社と開発スタッフを動かし、プロジェクトは動き出した。

必要なのはユーザーを想定した「より安全であること」

セノーという品質を買っていただく

営業という仕事の強みは常に製品を利用してくださるお客様の声が聞けるということだ。日頃から積極的に利用者の方や施設担当者様に話を聞くことで、開発側にこまめに情報を伝えた。セノーは製品の品質、ヒトの品質が高いという評価をいただいている。ヒトは営業マンだけではなく、開発やメンテナンスを含む全ての社員がスポーツに対する思いが強いことが誇りなのだ。ユーザーの声、お客様のご意見、営業の熱意、開発の信念、全てが新しい製品に注ぎ込まれ、納得のいくものが完成した。

「前のシリーズも悪くなかったけど、すごく良くなりましたね!」お客様からお褒めの言葉とともに受注もいただいたことで、山口の仕事は完成する。もちろん販売することがゴールではない。もっと良いものを目指し、お客様からのご意見や要望に耳を傾ける。日常の繰り返しが大きな力になることを山口は誰よりも知っている。

セノーという品質を買っていただく