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MOVE★Y!

MOVE★Y!

身体の動きを理想に近づける油圧式マシン

身体の動きを理想に近づける油圧式マシン MOVE★Y!

筋力の強化だけではなく、身体の『動き』に着目したMOVE★Y!(ムーブワイ)は、機能解剖学に基づいた身体が理想的に動く軌道を再現した全く新しいトレーニングマシン。本当に必要な筋力と動きを強化することで、より高いパフォーマンスを発揮できる身体づくりをサポート。サーキットトレーニングはもちろん、介護予防トレーニング、リハビリトレーニング、競技トレーニングなど、オールニーズに対応。セノーのトレーニングマシンとして注目されるMOVE★Y!の開発は、ある想いを持ったトレーナーとセノーとの出会いによって動き出した。。。

インタビュー

山本 晃

株式会社ワイズ・スポーツ&エンターテイメント

山本 晃さん

全米アスレティックトレーナー協会公認
アスレティックトレーナー
日本体育協会公認アスレティックトレーナー

MOVE★Y!

身体の「動き」にこだわった理想的なトレーニングマシンを作りたい


もともとトレーニング器具の開発を進められていたと伺いました。

山本 晃

私はアメリカで本格的なスポーツ医科学を学び「アスレティックトレーナー」という資格を取得しました。トレーニングの専門家として、もっとわかりやすい形で身体の正しい動かし方を伝えるにはどうすればいいか、また効率的に指導するにはどうしたらいいかと考えていました。そこで思いついたのが、機能解剖学をベースにしたオリジナルトレーニングマシンを作れないだろうか、ということです。

機能解剖学をベースにしたトレーニングマシン、というのは従来のトレーニングマシンと比べて何が違うのでしょうか?

山本 晃

一般的なトレーニングマシンは筋力を上げる、筋力を増やすことが目的です。フリーウエイトの種目を、固定された軌道で安全に負荷をかけていくものが主流です。私は機能解剖学の視点から筋肉を鍛える前に、動きを鍛え、それから目的に合った筋力や筋量を獲得していける「ファンクショナル 筋トレマシン」を作りたいと考えました。従来の筋力トレーニングマシンとは全く別物ですね。

Senoh

スポーツメーカーである私たちにも刺激的なお話でした。トレーニングマシンといえば筋力トレーニングをするものだ、という固定概念が自分たちにもありましたので。機能解剖学やスポーツ医科学の知見をもとに考案された山本さんのメソッドは、本当に説得力があって効果も出せる。トレーニング自体の考え方が変わりましたね。お話を聞いて、これはもうセノーで作らせてほしい!となりました。

山本 晃

実はセノーさんとタッグを組む前にも開発には取り組んでいたんです。でも、なかなか自分の理想とするものには近づかなくて困っていました。セノーさんはいろいろなスポーツ器具やトレーニングマシンを製造されているメーカーですし、自分たちの理想に叶うものを実現してくれるのではないかという期待がありました。

もともとトレーニング器具の開発を進められていたと伺いました。

パーソナルトレーニングのメソッドを再現するために

機能解剖学をベースにした山本氏のメソッド。そこに共感したセノーはその技術力を結集して試作品を開発するが、
山本氏の要望は厳しく、理想形を目指してなんども検証を重ねていく。



開発を進めていく中でどのようなことが課題になったのでしょうか?

山本 晃

機能解剖学的に正しい動きを言葉で伝えるのはとても難しい。私たちはファンクショナルトレーニングとして『ワイズ11(イレブン)』というメソッドを開発しています。いろいろなファンクショナルトレーニングの理論がある中で、アスリートはもちろん、子ども達から高齢者まで対応できる動きを11項目選んで、評価からトレーニングまで体系化しています。その基礎となるいくつかの動きをマシンで再現し、効率化を図れないかと考えていました。

Senoh

トレーナーが自分の手を使って指導している動きを再現することは想像以上に難しかったです。パーツの位置、座面シートの角度など本当に細部までこだわって作りました。試作品ができるたびに山本さんに見てもらい、本当にメソッドに沿った動きが再現できているのか、誰がやっても効果を実感できるのか、何度も検証を繰り返しました。

山本 晃

角度とか軌道とかね。

Senoh

マシンの形もどんどん変わって進化していきましたよね。

山本 晃

妥協できない部分ばかりなんですよ(笑)。

Senoh

納得いく形になるまで2年くらいかかりました。

山本 晃

セノーさんとは根本の部分で信頼関係ができていました。トレーニングマシンをつくりたいという目的だけではなく、日本人の健康や競技力の向上に貢献したいという思いが一緒だったという点が大きかったですね。

開発を進めていく中でどのようなことが課題になったのでしょうか?

トレーニングマシンの提案が変わっていく

長い歳月を費やして開発されたトレーニングマシンは『MOVE☆Y!(ムーブワイ)』と命名される。トレーニングの在り方自体を変えるこの製品の登場によって、製造販売を担当するセノーの社内でも営業方針に変化が生じる。



Senoh

『MOVE☆Y!』に関われたことで、セノーもトレーニング市場に対する考え方が変わってきました。『MOVE☆Y!』はそのコンセプトをセノーが十分に理解しているので、トレーニング自体の提案まで踏み込んで提案していくようになりましたね。

マシンや設備の販売だけではなく、施設やジムでトレーニング方法まで提案するということですか?

Senoh

はい。特に『MOVE☆Y!』の場合は、どういう効果が期待できるか、そのための動きのメソッドの部分もしっかり理解していただく必要があります。

山本 晃

機能解剖学の基礎を勉強された方、実際にいろいろな理論で指導されている方でも「固定の役割をするスタビリティ関節と動きの役割をするモビリティ関節」の大切さ、などといった指導の基礎となる部分の効率化を考えているので、納得いただけるマシンです。健康増進はもちろん、競技力向上に貢献できるマシンだと確信しています。全国の施設で利用が広がってくれれば嬉しいですね。

Senoh

山本さんはトレーナーとして日本のトップアスリートをサポートされてきた経験があり、『MOVE☆Y!』にはそのノウハウが詰まっています。セノーとしてもマシンを売りたいという気持ち以上に、このトレーニング方法を広めたいという思いがあります。

現在の『MOVE☆Y!』の完成度はズバリ何点?

山本 晃

90点以上は出せていると感じています。

Senoh

すごい、めちゃくちゃ高い!

山本 晃

ほとんど実現できているのですが、よくできている分、もっと改善していきたいという欲も出ちゃうのですよね。

Senoh

オプションパーツとかをつけることでもっと発展させていけるという話はいただいています。まだまだ進化させていきたいです。

もともとトレーニング器具の開発を進められていたと伺いました。

日本人の健康とスポーツ環境を変えていきたい

「身体の動かし方」をしっかりとサポートする『MOVE☆Y!』。スポーツに携わってきたプロフェッショナルだからこそ、今の日本人の運動環境にも貢献したいと考えている。



山本 晃

私たちは高校生の部活動のサポートもやらせていただいているのですが、今、運動しない子供達がすごく増えています

Senoh

体育の授業でダンスが必修科目になったりしていますね。

山本 晃

そう、運動の時間を増やそうという取り組みはしていても、子供だけじゃなくて先生方にも正しい身体の動かし方と、健全な成長を考えた上での筋力の必要性などを分かっていただきたい。『MOVE☆Y!』は学校にもぜひ導入してもらいたいですね。

Senoh

身体の正しい動かし方だけじゃなくて、姿勢も良くなりますしね。

お二方の目標は本当に同じところを向いていますね。

山本 晃

セノーさんは日本のスポーツメーカーとして日本の運動環境を良くしたいという理念をお持ちです。私たちは新しい運動習慣を提案し、日本のスポーツや健康問題に向き合っていこうと考えています。そして私たちの新しい運動とセノーさんの運動環境が相乗効果となり、次世代の日本を創造していこうという同じ夢を持っています。

Senoh

器具を納品して終わりじゃダメなんです。セノーは施設や器具を通してスポーツ環境を変えていける立場にあります。『MOVE☆Y!』が普及していくことで、日本人の身体能力が向上していくことは間違いありません。日本のスポーツメーカーとして自分たちがやらなきゃ、という思いはあります。

山本 晃

筋肉に関しても最新科学で「筋肉は臓器としての働きもしていて、いろいろな病気の予防や回復にも関係している」といった新たな可能性が注目されています。トレーニングによって正しい動きを鍛え、さらに筋肉も目的に合わせて強くしていく。それを可能にする『MOVE☆Y!』は、これからの時代にもっと注目されていいマシンだと思っています。『MOVE☆Y!』は細かい仕様まで本当にこだわって開発しています。セノーさんがパートナーでなければ完成できなかったマシンですね。これからも一緒にさらに進化させていきたいですね。



中高年に運動ブームが起こる一方で、児童の運動不足が深刻な問題となる現代の日本。体育の授業だけではなく、クラブ活動のあり方にも議論が活発になっている。『MOVE☆Y!』は身体の動かし方という最も基本的な動作について細部までこだわって設計されている。使ってみると、自分が体のどの部分を動かしているかを文字通り「体感」することができる。開発者の思いが『MOVE☆Y!』の普及を通じて実現していくことで、日本の運動環境は変えていける。これはセノーだからできる仕事なのだ。